2010 Fiscal Year Annual Research Report
GABA性薬物が側坐核カテコラミン神経活動に及ぼす効果
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21792034
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
内田 琢也 日本大学, 歯学部, 助教 (10409104)
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Keywords | SKF38393 / 線条体 / ドパミン / 脳微小透析法 / Ca^<2+> / D_1受容体 / ラット |
Research Abstract |
D_1受容体作動薬のSKF38393のラットの線条体へ局所投与は,dexamphetamine様の神経活動非依存性の機構により同部位のドパミン(DA)の放出を促進する。本年度はdexamphetamineがCa^<2+>依存性に線条体のDAを放出することに着目しin vivo脳微小透析法を用いて,SKF38393の線条体への局所投与が誘発したDA放出が,灌流液からのCa^<2+>の除去およびD_1受容体拮抗薬SCH23390の併用により抑制されるかについて検討した。Ca^<2+>の減少は血管を拡張させ,細胞外DAの血流への移行を高めることが推測されるので,次に,α受容体とV_<1a>受容体の作動薬(oxymetazoline,felypressin)を用いて血管を収縮させた場合に,Ca^<2+>非存在下で認められたSKF38393誘発細胞外DAが増加するか否かについても検討した。 その結果,SKF38393(0.5μg)の線条体への投与により,同部位の細胞外DA量は投与後20分で最大となり,180分にわたり増加した。灌流液からCa^<2+>を除去することにより,投与後40~180分のDA量の増加は消失し,基礎DA量に影響を与えない量のSCH23390(0.1μg)の併用でわずかに減少した。灌流液からCa^<2+>を除去し,線条体へSKF38393を投与したところ,投与後20分のDA量はoxymetazoline(0.1μg)により,投与後40~180分のDA量はfelypressin(15μIU)の併用により,それぞれ増加した。 以上の結果から,SKF38393(0.5μg)によるCa^<2+>依存性の細胞外DA増加には,D_1受容体の活性化が一部関わることが示された。また,Ca^<2+>の非存在下では,SKF38393により増加した細胞外DAの血流への移行が高まることが示唆された。
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Research Products
(3 results)