2009 Fiscal Year Annual Research Report
頭頸部癌へのBNCTにトランスフェリン結合型硼素化合物運搬体を応用した基礎研究
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21792042
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
伊藤 雄一 Osaka Medical College, 医学部, 助教 (10530701)
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Keywords | ホウ素中性子捕捉療法 / BSH / BNCT / 口腔悪性腫瘍 |
Research Abstract |
ホウ素中性子補足療法(Boron Neutron Capture Therapy: BNCT)はホウ素化合物が集積した腫瘍細胞に中性子を照射することで腫瘍細胞を破壊する治療方法である。現在使用されているホウ素化合物のBorocaptate(BSH)は能動的に腫瘍細胞に集積する性質がないため、腫瘍細胞に高濃度のホウ素化合物を送達できるDDSが期待されており、Liposomeを用いた研究が多施設で行われている。今回われわれはLiposomeにTransferrinを修飾し、腫瘍細胞で過剰発現しているTransferrin receptorをターゲットとしたDDSを使用して、修飾の有無による腫瘍細胞中でのBSH局在についての検討を行った。 1. 口腔悪性腫瘍細胞株を培養し、腫瘍細胞表面のTransferrin Receptorの発現量をanti-Transferrin receptor抗体を使用してラベルしたのちにQIFIKit(DAKO)を用い蛍光強度から発現量を定量し、細胞間での発現量を比較した。結果は口腔悪性腫瘍細胞株としてはSASが蛍光強度の数値からTransferrin Receptorが強く発現していることが示唆された。 2. 口腔扁平上皮癌細胞として細胞株SASを用い、SASをチャンバースライド上で培養し各種修飾を行ったBSHを作用させホルマリンで固定、BSHに対する抗体(大阪府立大学切畑教授より供与)を用い免疫組織化学的染色をおこない共焦点レーザー顕微鏡にて観察を行った。結果としてBSHの細胞内局在は細胞質中に認められ、核には認めなかった。またTransferrinを修飾した場合でもbare-BSHと同様の細胞内局在であった。 本研究により、BSHの細胞内局在について明らかにすることができた。TF-PEG-Liposomeで修飾した場合でも同様の細胞内局在であることが確認され、DDSとして使用した場合でも有用であることが示唆された。
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Research Products
(6 results)