2010 Fiscal Year Annual Research Report
MRIのトラクトグラフィーを指標とした下顎枝矢状分割術術後の知覚異常評価法の確立
Project/Area Number |
21792046
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
市原 隆洋 福岡歯科大学, 歯学部, 診療放射線技師 (80399196)
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Keywords | トラクトグラフィー / MRI / 知覚異常評価法 / 下顎枝矢状分割術 / 拡散テンソル画像 |
Research Abstract |
昨年度の基礎的検討により拡散テンソルトラクトグラフィーにて下歯槽神経の描出が可能であるという研究結果を得ることができた。22年度は、定量的な評価を可能にするために撮像条件の最適化を図り、臨床にて使用するための条件を決定し、下歯槽神経における安定した拡散テンソルトラクトグラフィーの描出方法を確立する事を目的とした。 検討方法は、SW知覚検査にて知覚異常がないことが確認できた20名のボランティア(男性10名、女性10名、平均年齢33.4歳)に対してトラクトグラフィーを作成し、描出能の比較を行った。撮像条件はスライス厚3mm、加算回数(2回、4回、10回)MPG印加軸数(6軸、15軸、32軸)とし検討を行った。撮像時間を一定(臨床を想定し約5分とした)に設定し、MPG印加軸数と加算回数のパラメータを変化させトラクトグラフィーの描出能を比較した。描出能は先ず、拡散テンソルトラクトグラフィーの解析ソフトウェアであるdTV.II SR(東大医学部附属病院放射線科画像情報処理・解析研究室において開発されたソフトウェアである。)にて描出した神経画像をキャプチャーしA4用紙に出力する。出力された画像を使用し、神経走行の正確性およびノイズを5段階評価にて6名の歯科医師および診療放射線技師にて評価を行った。 検討の結果、MPG印加軸数を優先して増加するほど描出能の向上が顕著であり、使用した撮像シーケンスでは、MPG印加軸数32軸、加算回数2回が最も描出能の良い傾向であった。また全20例において下顎孔からオトガイ孔までの下歯槽神経の良好な描出が可能であった。 今後は本結果を用い臨床評価を行っていく。
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