2010 Fiscal Year Annual Research Report
骨移植の成否に関与する要因から考察した造血幹細胞による骨組織再生療法に関する研究
Project/Area Number |
21792051
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
松野 美乃 北海道大学, 病院, 医員 (80374544)
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Keywords | 歯学 / 口唇裂・口蓋裂 / CT / 骨移植 / 造血系幹細胞 / 間葉系幹細胞 |
Research Abstract |
口唇裂・口蓋裂患者のより良好な矯正歯科治療の達成には顎裂部骨移植は必要不可欠かつ重要な治療である。そこで本研究では臨床的研究と基礎的研究の両側面から、現段階における顎裂部骨移植の評価ならびに顎裂部骨移植の今後の可能性について骨組織再生療法を用いて検討することを目的としている。 今年度に行なった研究内容は以下の通りである。 1.北海道大学病院にて顎裂部骨移植を行ない、MDCTを撮影している(術前および術後1年)片側性唇顎口蓋裂患者の抽出を行なった。また顎裂部骨欠損および同部に対する移植骨の評価として3D再構築画像解析ソフト(AZE Virtual Place Lexus 64)を用いるため、同ソフトによる評価法について検討中である 2.マウス(C3H/He Slc)の大腿骨および脛骨骨髄より間葉系幹細胞を通法に従い、採取した。骨髄由来間葉系細胞は4週間通法に従い培養を行なった。細胞の顕微鏡による形態所見を確認するとともに、分化培地を用いて、骨芽細胞・脂肪細胞・軟骨細胞等への分化(多分化能)を確認した。また、flaskに細胞を播種し、CFU-Fを確認した。 3.マウス(C3H/He Slc)の大腿骨および脛骨骨髄より骨髄細胞を採取し、MACSにより骨髄由来造血幹細胞(CD105+Sca-1+LTR-HSCs)を分離した。 4.2と3で得た細胞を多孔性炭酸含有アパタイトと組み合わせてマウス(C3H/He Slc)の背部に移植し、8週間飼育し、移植周囲組織を摘出し、通法に従い、組織切片をHE染色し、新生骨の評価を行った。 今後はCTの評価と患者の生化学的所見を検討し、臨床的研究を行なう。基礎的研究としてはN数をふやすとともに形成された骨組織の評価をさらに行う予定である。
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