2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21792064
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
原田 史子 Niigata University, 医歯学系, 特任助教 (00397150)
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Keywords | ASIC3 / 三叉神経節 / 歯根膜神経終末 / 機械受容 |
Research Abstract |
ENaC familyはDEG(degenerin)/ENaC遺伝子ファミリーに属する非電位依存性陽イオンチャネルで、線虫の機械受容に関連するチャネルと考えられている。近年、ENaC同様、DEG/ENaC遺伝子ファミリーに属する酸感受性イオンチャネル(acid-sensing ion channel ; ASIC)が脊髄神経節のニューロンに発現し、酸感受性、機械刺激受容、侵害受容などに関与するチャネルとして注目されてきた。しかしながら、歯根膜神経終末におけるASICの存否、局在、役割についてはまったく不明である。本研究の目的はマウス歯根膜ルフィニ神経終末におけるASICの存否ならびに局在をタンパク、遺伝子レベルで明らかにすることである。本年度は、歯根膜ルフィニ神経終末の細胞体がある三叉神経節におけるASICのmRNA発現の確認およびin situ hybridizationおよび免疫細胞化学による検索を行った。 RT-PCR法により、三叉神経節ではASIC 1,2,3mRNAが検出されたが、ASIC4mRNAのシグナルは観察されなかった。この結果とこれまでの論文から、本研究ではASIC3をターゲットとして研究を進めることとした。ASIC3のcRNAプローブを作成し、DIG標識により、in situ hybridization法を施行し、一部の三叉神経節ニューロンにASIC3mRNAの発現が認められた。また、ASIC3抗体を用いた免疫染色により、in situ hybridizationの結果同様、ASIC3の免疫反応が三叉神経節に観察された。また、歯根膜を免疫染色したところ、ルフィニ神経終末様構造がASIC3陽性を示した。ASIC3が歯の機械受容に関わる重要なチャネルの一つであることが示唆された。
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