2011 Fiscal Year Annual Research Report
骨組織中での骨細胞ネットワークの3次元的動態変化の解明
Project/Area Number |
21792070
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
菅原 康代 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (70379775)
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Keywords | 骨細胞 / 3次元的形態変化 / 骨細胞ネットワーク / 細胞間コミュニケーション |
Research Abstract |
骨細胞は骨芽細胞から分化して骨細胞に形態変化する際、突起による3次元的ネットワークを形成する。このネットワークにより、骨細胞が力学的負荷を感知し、骨代謝を制御しているといわれているが、硬い基質中の骨細胞の構造を観察することさえ困難なため、骨細胞の機能や役割は未だ解明されていない。我々の研究グループは、ニワトリの骨組織中の骨細胞、骨芽細胞のアクチン線維を蛍光色素と共焦点レーザー顕微鏡を用いて3次元構築し、形態計測する方法を考案した(Bone, Sugawara et al, 2005)。本研究では、骨細胞ネットワークが互いにコミュニケーションを持つかどうかを3次元的に解明することを目的としこの手法を将来的に実験動物として普及している遺伝子改変マウスに応用できるようにするため、初めてマウス骨中骨細胞の3次元形態計測を行った。さらに、ほとんど詳細の知られていない骨中骨細胞の機能を探るために、生きた骨中の細胞間コミュニケーションも調べた。 本研究では異なる種の実験動物を同じ年齢グループに統一して一連の実験を行い、3次元骨細胞ネットワークの形態および細胞間コミュニケーションを比較した。これまでの報告では、年齢が統一されておらず、さらに2次元の形態計測のデータであったため、異種間の比較が困難であった。 本研究によりニワトリとマウスの骨細胞の大きさ(マウスが2倍大きい)や密度などは異なっているが、形状は似ており、骨細胞突起の密度は変わらないことがわかった。またFRAP解析の結果では、早期の蛍光回復はほとんど違いはないが、5分後はニワトリで50%、マウスで40%の回復率であった。この細胞間コミュニケーションはギャップジャンクションを介する機能と関連し、骨の再構築などと密接に関与するといわれており、骨細胞がこれに関与していることがわかった。今後様々な種や遺伝子改変動物などにおける骨細胞の機能の解明につながると考えられる。
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Research Products
(7 results)