2009 Fiscal Year Annual Research Report
口腔機能を介して日常生活の環境適応をはかる日内リズム中枢制御機構の解明
Project/Area Number |
21792075
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中村 渉 Osaka University, 大学院・歯学研究科, 特任准教授 (60372257)
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Keywords | 体内時計 / 概日リズム / 環境同調 / 時計遺伝子変異マウス / 予知行動 / 制限給餌 |
Research Abstract |
平成21年度は時計遺伝子変異マウスを用い、制限給餌条件下における予知行動の解析を行った。我々はこれまでに従来体内時計機構が駆動すると考えられてきた制限給餌条件下予知行動について、体内時計機構が体のどの細胞でも働かない「時計遺伝子変異マウス」が予知行動を示すか否かを検証してきた。予想に反し、「時計遺伝子変異マウス」は給餌時間を予知するかのような予知行動を示すことが明らかになった。そこで、「時計遺伝子変異マウスで」観察された予知行動について、その概日リズム特性について検討した。行った実験は以下の通りである。 1) 明暗・時間制限給餌・24時間周期環境下での予知行動解析。 2) 恒常暗・時間制限給餌・24時間周期環境下での予知行動解析。 3) 予知行動の概日リズム継続性の検証。 4) 恒常暗・時間制限給餌・非24時間周期環境下での予知行動解析。 5) 視交叉上核破壊マウスの給餌予知行動解析。 以上の行動解析により、従来視交叉上核に依存しない食事性体内時計が駆動すると考えられてきた給餌予知行動は、これまでに確立された生物時計分子機構に依存しないことが明らかとなった。更に生物時計分子機構の役割について考察することにより、食事性体内時計の機能について新しい概念が提唱できる可能性を見出しており、現在更なる検証を進めている。
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