2010 Fiscal Year Annual Research Report
口腔機能を介して日常生活の環境適応をはかる日内リズム中枢制御機構の解明
Project/Area Number |
21792075
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中村 渉 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 特任准教授 (60372257)
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Keywords | 体内時計 / 概日リズム / 環境同調 / 時計遺伝子改変マウス / 予知行動 / 制限給餌 |
Research Abstract |
哺乳類では視床下部・視交叉上核が体内時計の機能を担っており、社会環境の24時間サイクルに「同調」することで、生理機能を効率よく発揮する。視交叉上核は主に環境の明暗周期を用いて体内時計の時間調節を行っており、そのリズムを作り出す分子機構が近年明らかにされている。その一方で、周期的な食事のタイミングが、生体の行動リズムを調節することが知られている。本研究では時計遺伝子改変マウスを用い、周期的時間制限給餌条件下における、食事タイミング予知行動を解析することにより、食事関連時計機能の神経回路構造を明らかにすることを目的とする。平成22年度に行った実験は以下の通りである。 1.時計遺伝子改変マウスの非24時間周期環境下での予知行動解析。 2.視交叉上核破壊時計遺伝子改変マウスの非24時間周期環境下での予知行動解析。 以上の行動解析により、時間制限給餌条件下における予知行動の発現およびその周期性の制御は視交叉上核を必要としないことを明らかにした。さらに、概日リズム周期に作用する時計遺伝子改変マウスを用いた解析より、食事性概日リズム機構はこれまでに明らかにされた概日リズムの分子機構に依存することが示唆された。今後、数理シミュレーションを用い時計遺伝子改変マウスの給餌予知行動発現制御機構を解析すると共に、行動制御のキーとなる神経回路機構を探索する。
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