2009 Fiscal Year Annual Research Report
マイオスタチン特異的RNAiを用いた骨格筋量制御法の開発に関する研究
Project/Area Number |
21792079
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
木内 奈央 The University of Tokushima, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (30457329)
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Keywords | RNAi / アテロコラーゲン / 骨格筋 |
Research Abstract |
骨格筋は、骨・軟骨等とともに生体の運動や姿勢の制御を司る重要な器官であり、超高齢化が進展する我が国では、日常生活活動(QOL)の向上・維持といった観点からも、骨格筋制御に関する研究領域に大きな注目が集まりつつある。生体における骨格筋量制御のメカニズムも分子レベルで解明されており,筋ジストロフィーを始めとした全身性筋疾患のみならず,顎口腔系の筋機能異常に対してもこれら知見に基づいた新しい治療法の開発が望まれている。そこで本研究では、骨格筋量を制御する技術を開発することを最終目標として、骨格筋量抑制因子であるマイオスタチンを標的遺伝子とし、アテロコラーゲンを併用したRNAiをin vivoにおいて全身に応用させてその抑制効果を検討した。筋ジスモデルマウスとしてCAV-3 transgenic mouse(約20週齢)を用いて、過去に局所投与で効果が確認されたマイオスタチン特異的合成二本鎖siRNA(Mst-siRNA)をアテロコラーゲンと混合して眼窩静脈から注入したところ、対照群とMst-siRNA導入群との間で体重変化に有意な差は認められなかった。しかしながら、咬筋および大腿四頭筋を採取し比較検討を行ったところ、肉眼的所見として対照群に比べMst-siRNA導入群では骨格筋量の増大が認められた。また、各筋の最大直径部における切片を作製しHE染色を行ったところ、野生型マウスの時と同様にMst-siRNA導入群では各筋線維の有意な肥大傾向が認められ、平均で約1.2倍に増加していた。以上の結果より、アテロコラーゲンを併用したマイオスタチンに対するRNAiは個体レベルでの骨格筋量の調節に有用であることが示唆された。
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