2010 Fiscal Year Annual Research Report
マイオスタチン特異的RNAiを用いた骨格筋量制御法の開発に関する研究
Project/Area Number |
21792079
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
木内 奈央 徳島大学, 病院, 助教 (30457329)
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Keywords | アテロコラーゲン / RNAi / マイオスタチン / 骨格筋 |
Research Abstract |
これまでマイオスタチンを標的遺伝子としたRNAiが個体レベルにおいて局所の骨格筋量の調節に有用であると報告してきたが、臨床応用に向け発展させるためには、このRNAi技術を全身性に応用してマイオスタチン遺伝子のノックダウンを行い、骨格筋量を人為的に調節する方法の開発を行うことが必要であると考えられた。そこで、筋ジスモデルマウス(caveolin-3突然変異型トランスジェニックマウス)を用いて、局所投与で効果が確認された合成二本鎖siRNA(Mst-siRNA)をアテロコラーゲンと混合して眼窩静脈から注入し、siRNA導入から2週間後、対照群あるいはMst-siRNA導入群、それぞれ大腿骨を含む大腿四頭筋について最大直径部における切片を作製しHE染色を行うとともに、筋線維直径の計測およびその分布様相を解析した。また、筋機能解析として、前脛骨筋における筋張力試験を行った。結果として、HE染色像から対照群に比べ、Mst-siRNAを導入した大腿四頭筋では各筋線維の肥大傾向が認められ、筋線維の直径についても有意に増大する傾向を示していた。野生型マウスでは、対照群とMst-siRNA投与群の両者間に差は認められなかったが、caveolin-3突然変異型トランスジェニックマウスでは対照群に比べ、Mst-siRNAを導入すると約3倍の筋張力を示し、これは野生型マウスが示す筋張力の約53%まで回復する結果となった。
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