2010 Fiscal Year Annual Research Report
代謝調節ホルモン・レプチンと顔面口腔領域における胎児発育との連関に関する研究
Project/Area Number |
21792082
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
中村 由紀 新潟大学, 医歯学系, 助教 (70452779)
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Keywords | 発生・分化 / 胎児発育 / レプチン |
Research Abstract |
脂肪細胞由来のホルモンであるレプチンは、摂食抑制やエネルギー代謝亢進に関与する生理活性物質として広く知られている。一方、胎児期においてもレプチンは、胎盤から産生されていることや胎児組織器官にもレプチン受容体が発現していることから、胎児発育への関与が示唆されている.しかしながら、胎児におけるレプチンの機能については不明な点が多く、特に顔面口腔領域においては未だ解析がなされていない。我々の研究機関ではこれまでにマウス・ヒトの成体におけるレプチンの機能解析を進め、口腔領域においてもレプチン受容体が発現しており摂食に関与する機能を持つことを明らかにした。本研究では、胎児期の顔面口腔領域におけるレプチンの機能解析を行い、胎児発育への関与について検索し解明することを目的とした。 胎児正常マウスを用いて、血中レプチン濃度を測定し成体との比較を行うためサンプル収集した。成体マウスは2.5~3.5ng/mlの範囲で変動したのに対し、胎児マウスにおける血中レプチン濃度は約1.0ng/mlであった。また、胎児正常マウスの組織切片を用いて顔面口腔領域におけるレプチン受容体(Ob-R,Ob-Rb)mRNAおよびタンパク質の発現解析を進めており、昨年からのデータ取得を継続している。今回の実験結果では胎児マウス下顎骨におけるレプチン受容体の発現を確認することができなかった。レプチン受容体の発現が認められないとすると、顎骨へのレプチンの直接作用の可能性は低く、従来の報告にあるようにレプチンが制御する骨吸収機序は中枢の受容体にレプチンが作用し交感神経系を介すると考えられる。
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Research Products
(3 results)