2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21792099
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
高原 円 福島大学, 共生システム理工学類, 准教授 (20454150)
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Keywords | 小児 / ストレス / 睡眠時歯ぎしり / 自律神経系活動 |
Research Abstract |
本研究は,小児において,急性のストレスに対して適応的に生じると考えられる,適切な歯ぎしりのパタンはどのようなものなのかを解明することを目的とし,3年間の計画で実施してきた。従来のコンセンサスでは一概に歯ぎしりは悪影響をもたらすとされているが,歯ぎしりがすべて睡眠の質に悪影響を及ぼすというよりも,睡眠中に大量の中途覚醒を混入させ,交感神経系を亢進させるような歯ぎしりが,睡眠の質の低下や問題行動をもたらしている可能性がある。夜間睡眠中の自律神経活動の評価から睡眠の質の評価が可能であることを利用し,睡眠の質が良好であるかどうかという切り口からの適切な歯ぎしりの評価が可能である。本研究は,小児において,心理的ストレスに起因すると考えられる,上記のように睡眠の質を低下させるような歯ぎしりが発生しうることを明らかにした。 本年度は,これまでに得られたデータの解析をもとに,学会報告および論文執筆を重点的に行い,地域や社会への還元を行った。これまでの研究成果により,子どもが日常の中でさらされていると考えられるストレス環境と夜間睡眠時歯ぎしりの発生率との間に何らかの関係があることが示唆されている。このことはさらに,精神生理学的実験によって,就寝直前の過ごし方や行動的統制が,睡眠時歯ぎしりの発生および子どもの睡眠の質の悪化を防ぐ可能性があるということが明らかにされた。これらの研究成果について,順次報告を行った。
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