2010 Fiscal Year Annual Research Report
am3遺伝子の同定とSNPsを用いたリスク診断法確立のための基礎的研究
Project/Area Number |
21792102
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
成山 明具美 鶴見大学, 歯学部, 助教 (90440304)
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Keywords | 分子遺伝学 / 歯の発育異常 / am3遺伝子 / リスク診断 / ELマウス |
Research Abstract |
歯の先天欠如はヒトの歯の発育異常のうち最も一般的なものの一つであり、歯列や咬合の異常を引き起こす原因の一つとされている。本研究においては、第三臼歯の欠如を高率に発症するELマウスをモデルマウスとして使用し、第三臼歯先天欠如の主要な原因遺伝子を同定することを目的とした。申請者は第三臼歯先天欠如の主要な原因遺伝子が存在している可能性が高い領域であるam3領域に存在する既知の候補遺伝子(Lef 1、Egf)およびam3領域以外で歯の発生に関する既知の遺伝子(Shh、Pitx2、Bmp2、Bmp4)について、ELマウスとそのコントロールであるEL/KWLマウスの5、7、10日齢の下顎の第三臼歯相当部組織からtotalRNAを抽出・精製しReal-timePCR法を用いてmRNA発現量を比較検討した。 Lef 1、EgfについてはELとEL/KWLの間で、7日齢(p<0.01)、Bmp2については5日齢(p<0.05)、Bmp4については7日齢(p<0.05)において統計学的に有意な差が認められた。また、Shh、Pitx2については統計学的に有意な差は認められなかった。このことから、am3領域に存在する既知の候補遺伝子(Lef 1、Egf)とam3領域以外で歯の発生に関する既知の遺伝子(Bmp2,Bmp4)が第三臼歯先天欠如に関与している可能性が示唆された。 今後はこれらの遺伝子の局在、蛋白の発現や局在についても検討を加えていく予定である。さらには、single-nucleotide polymorphisms (SNPs)を用いた歯の先天欠如の遺伝子リスク診断を行うための基礎的なデータを得ていく予定である。
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