2009 Fiscal Year Annual Research Report
骨のカップリング機構を応用した薬理学的歯の移動のコントロール
Project/Area Number |
21792106
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
田渕 雅子 Aichi Gakuin University, 歯学部, 講師 (30418925)
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Keywords | 歯学 / 動物 / 歯科矯正学 / 病理学 |
Research Abstract |
矯正歯科治療を成功させるために最も配慮しなくてはならないことに固定源の確保があげられる。その確保のために現在では、ヘッドギアーなど大掛かりな装置を作製し、患者に使用を指示している。そこで、患者の負担が少なく、確実かつ効率的な新しい矯正歯科治療法の確立を目的として、選択的破骨細胞阻害剤であるリベロマイシンAやビスホスホネートを用い、局所における破骨細胞の形成、活性化をコントロールし、歯の移動を制御する実験を行うこととした。平成21年度の研究業績として、まず、本研究に使用する薬剤の選択をおこなった。ビスホスホネートとリベロマイシンAをマウスに投与し、破骨細胞活性が抑制されているかを、血液検査で確認を行った。その結果、ビスホスホネートでは血中TRAPが、リベロマイシンAでは血中Caがそれぞれ抑制されていることが確認できた。また、マウスにおける矯正学的歯の移動の予備実験を行った。本研究では、骨代謝の変化がより現れやすくなるよう、OPG遺伝子欠損マウスを使用し実験を行っている。OPG遺伝子欠損マウスは、OPGが遺伝子的に欠損していることから、破骨細胞の活性が全身的に上昇しているモデルマウスである。現在、申請者が行っている歯の移動実験モデルでは、矯正用ゴムを使用している。5日間まで観察を行い、OPG遺伝子欠損マウスではWild typeマウスと比較して、歯の移動量が多く、根間中隔の骨量の減少が認められたが、ビスホスホネートを投与することにより、OPG遺伝子欠損マウスにおける移動量が抑制され、根間中隔の減少の抑制が確認された。しかし、この方法では5日までの短期間でしか観察が不可能である。今後は、より長期間(約21日間)歯を移動させられるように実験モデルを確立し、研究を継続する予定である。
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