2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21792107
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Research Institution | 財団法人神経研究所 |
Principal Investigator |
前田 恵子 公益財団法人神経研究所, 研究部, 研究員 (30529938)
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Keywords | 睡眠時無呼吸 / アデノイド扁桃摘出術 / 口腔内装置 / 小児 |
Research Abstract |
小児の閉塞性睡眠時無呼吸症候群(Obstructive Sleep Apnea Syndrome ; OSAS)の主たる病因はアデノイド/口蓋扁桃の肥大であると考えられてきた。しかし、アデノイド扁桃摘出術(adenotonsillectomy : A&T)施術後にも症状が改善しない症例があることから、成人OSASと同様に小児OSASにおいても顎顔面形態がOSASの病因の一つであることが予想される。本年度は21年度に引き続き、OSASを伴う小児に対し、顎顔面形態がOSASに与える影響の検討を行った。 前年度に引き続き小児OSAS患者を対象としてサンプリングを継続・終了させ、A&T施行後に睡眠呼吸モニターにて測定した呼吸障害指数(RDI : Respiratory Disturbance Index)が1以上のものを「A&T非反応患児」と診断し、これらの患児の顎態を側面頭部X線規格写真を用いて解析した。 その結果、28名の男児A&T施行例のうち、25名(89%)がA&T非反応患児と判断された。さらにこれらの患児のSNA、SNB値は、いずれも日本人小児の標準値より小さく、ANBは7°と上下顎の前後的不調和が認められ、小下顎を呈することが明らかとなった。しかし、ANBをマッチさせた小下顎を呈する成人OSAS患者(神経研究所内所蔵データ)と比較すると、顎骨に対する舌の相対的大きさは小さかった。 以上の結果から、小児OSASにおいては、アデノイド/口蓋扁桃腺の肥大のみならず、成人OSASと同様に小下顎が病因の一つと推測されるものの、成人に比較して少ない口腔内軟組織量で上気道が閉塞しやすい傾向にあることが示唆された。
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Research Products
(2 results)