2011 Fiscal Year Annual Research Report
分子生物学的手法によるインプラント周囲炎関連バイオフィルムの総合的解析
Project/Area Number |
21792110
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
竹内 康雄 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (60396968)
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Keywords | インプラント周囲炎 / 歯周病原細菌 / クローンライブラリー法 / 機能水 |
Research Abstract |
これまで行ってきた研究結果より、インプラント周囲炎(PI)部位と歯周炎(P)部位ではその細菌構成に違いがあることが予想された。そこで本年度は、インプラント周囲炎に関わる細菌叢をより詳細に検討するために、サンプル数・ライゲーションの実施数を増やした上でクローンライブラリー法による解析を継続して行った。その結果、PI群はP群と比較してより多くの塩基配列(≒細菌種)が認められ、Chao 1 valueおよびShannon indexより、両群間の細菌叢には差があることがわかった。属(phylum)レベルではPI群・P群のいずれにおいてもFirmicutes、Bacteroidetes、Proteobacteriaが多く認められたが、Chloroflexi、DeferribacteresはPI群でのみ検出された。さらに詳細を検討してみると、Peptostreptococcus spp.、Dialister spp..などPI群で多く認められた細菌種がある一方で、F.nucleatumはP1群とP群のいずれからも高頻度に検出された。過去の研究では、インプラント周囲炎に既存の歯周病原細菌が強く関与しているとの報告があることから、本研究でもP.gingivalis、T.forsythia、T.denticolaについてReal-time PCR法により定量的な解析を行った。その結果、これらの細菌のPI部からの検出頻度や量はさほど多くなかったものの、検出される症例ではPI・Pの両部位から検出されることが多く、天然歯からインプラント部への病原細菌の伝播の可能性が考えられた。今後、インプラント周囲炎で特徴的に認められる細菌の病原因子としての働きの真偽、治療を行う上で細菌学的マーカーとなりうるかどうかについて、研究を発展させてゆく予定である。
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Research Products
(1 results)