2010 Fiscal Year Annual Research Report
早期低体重児出産における歯周病由来anti-cardiolipin抗体の役割
Project/Area Number |
21792111
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
片桐 さやか 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 医員 (60510352)
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Keywords | 歯周病 / 妊娠 / 早期低体重出産 / 自己抗体 / anti-cardiolipin抗体 / 交差反応 |
Research Abstract |
歯周炎は様々な全身疾患のリスクファクターであり、早期低体重児出産にも影響を及ぼしていることが明らかになってきている。近年、早期低体重児出産を引き起こす疾患として、抗リン脂質抗体症候群が注目されている。抗リン脂質抗体症候群では、血液凝固の抑制に重要なβ-2 glycoprotein-I(β2GPI)に対する自己抗体であるβ2GPI依存性抗cardiolipin抗体が上昇することが知られている。これまでの研究で、歯周炎患者では健常者と比較してβ2GPI依存性抗cardiolipin抗体が上昇していること、またβ2GPI上のTLRVYKペプチドを認識するモノクローナル抗体をマウスに注射することにより血栓や早産が引き起こされることが報告されている。A.actinomycetencomitansのleucotoxin Cは、β2GPI上のTLRVYKペプチドと相同性が高いペプチド配列を有しており、A.actinomycetencomitansのleucotoxin C中の配列に対する抗体が、抗リン脂質抗体症候群と関連しているβ2GPI上のTLRVYKペプチドと交差反応を引き起こす可能性があることを示した。また、東京医科歯科大学医学部附属病院に通院中の妊婦において、実際に低体重児出産であった妊婦は、正期産の妊婦に比べて歯周ポケットの平均値および歯周ポケット4mm以上の歯を有する割合が有意に高いことが明らかになった。歯周病と低体重児出産には関連があることが示された。
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