2010 Fiscal Year Annual Research Report
歯周炎病態、リスク診断のこれから:インターロイキン6受容体の可能性を探る
Project/Area Number |
21792114
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
小松 康高 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (40422597)
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Keywords | 歯周炎 / IL-6 / IL-6受容体 |
Research Abstract |
本研究は、可溶性IL-6受容体(sIL-6R)の歯周炎病態形成への関与、臨床マーカーとしての可能性を検索することを目的とした。本年度は、健常者95名(平均42.2歳)および歯周炎患者44名(平均58.8歳)の初診時において血清IL-6 component (IL-6,sIL-6R,sgp130)、高感度CRPの測定およびIL-6(-572,-373),IL-6R(-183,+48892)の4ヶ所の遺伝子多型の同定を行い、以下知見を得た。なお患者群で本研究期間に歯周初期治療が終了したものは非常に少なく、歯肉溝滲出液も十分な採取量が得られなかったため、dataの解析はできなかった。 (1)歯周炎患者群で健常者に比較して血清IL-6,sIL-6R,高感度CRPが有意に高かった(順に、1.4±0.1(pg/ml)(mean±SE)vs.1.1±0.1,P=0.001,26.7±1.1(ng/ml)vs.23.2±0.7,P=0.006,644.3±108.0(ng/ml)vs.403.9±56.7,P=0.002)。一方、sgp130は有意差が認められなかった。 (2)血清sIL-6Rレベルは2群ともに、IL-6R-183Gアリル保有群で有意に低く、IL-6R+48892Cアリル保有者で有意に高かった。また、健常者群ではIL-6R-183遺伝子多型が血清sIL-6Rのみでなく、IL-6レベルにも影響した。 (3)ロジスティック回帰分析の結果、歯周炎罹患と血清IL-6 componentレベルに有意性はなく、年齢(P=0.045),IL-6-572,-373(P=0.015,0.017),IL-6R+48892(P=0.041)で有意性を認めた。 以上よりIL-6 componetのうち、IL-6R遺伝子多型が、血清sIL-6Rレベルを制御することで、歯周炎病態形成に関与することが示唆された。
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Research Products
(1 results)