2010 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト歯根膜組織完全長cDNAデータベース解析による新規歯根膜特異的分子の探索
Project/Area Number |
21792119
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小澤 康宏 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (30448146)
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Keywords | ヒト歯根膜組織完全長cDNAデータベース / 新規遺伝子 / 歯根膜組織 / FLJ25143遺伝子 / Cathepsin K |
Research Abstract |
1)Full-PerioGenデータベース解析による候補遺伝子・分子群の選定 我々が確立した10,000種以上の完全長遺伝子情報から成るヒト歯根膜組織完全長cDNAデータベース(Fun-PerioGen)解析の結果、歯根膜組織においてその発現や機能が報告されていない遺伝子8種を選出した。 2)実際の組織・細胞における発現特異性解析 培養ヒト歯根膜細胞の硬組織形成分化過程における各遺伝子の発現解析をリアルタイムPCR法により解析したところ、システインプロテアーゼのCathepsin K.鉄イオン貯蔵関連タンパクのFerritin.および機能未知のFLJ25143は、ヒト歯根膜細胞の分化誘導時において発現が上昇する遺伝子であることが明らかとなった。また、ヒトの全身各組織より採取したRNAを用いてリアルタイムPCR法にてCathepsin Kの発現解析を行ったところ、歯根膜組織において非常に高い発現を示すことが明らかとなった。 3)サイトカイン刺激によるCathepsin.Kの発現誘導解析 培養ヒト歯根膜細胞を各種サイトカインにて48時間刺激し、リアルタイムPCR法にてCathepsin Kの発現解析を行ったところ、1L-1α、1FN-γ刺激にて発現上昇が誘導され、FGF-2、BMP-2、IGF刺激にて発現の抑制が認められた。 以上の結果よりヒト歯根膜組織においてCathepsin Kの発現が初めて見出され、歯周組織の恒常性の維持、修復・再生に関与している可能性が示唆された。
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