2009 Fiscal Year Annual Research Report
Beta-defensin-2産生による歯周自然免疫活性化機構のメカニズム解析
Project/Area Number |
21792137
|
Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
田口 洋一郎 Osaka Dental University, 歯学部, 助教 (60434792)
|
Keywords | 歯周病 / 歯肉 / 上皮細胞 / ペプチド / 炎症性メディエーター |
Research Abstract |
本研究代表者は過去の論文(Expression of β-defensin-2 in human gingival epithelial cells in response to challenge with Porphyromonas gingivalis in vitro. Journal of Periodontal Research, 2006; 41: 334-339.)で炎症性サイトカインであるIL-8の産生とHuman β-defensin-2(以下,hBD-2と略す)mRNAとの発現の経時的な相関性がP. gingivalis感染の有無によって異なることを証明した。すなわち,歯肉上皮細胞からのhBD-2mRNAの発現はP. gingivalis依存性に認められ,その発現は炎症の初期反応と連動しているとの示唆を得ている。成人性歯周炎の原因菌であるP. gingivalisを用いて,好中球走化作用を有するケモカインIL-8とhBD-2の相関性を検討することにより,好中球誘導における自然免疫系の強化作用を立証したいと仮説をたて実験を行った。具体的にはIL-8のAutocrine的メカニズムによるhBD-2の発現増強,P. gingivalis刺激後に起きるIL-8とhBD-2による上皮細胞の宿主防御レセプター伝達経路の解明,特に各炎症性メディエーターの産生誘導のための伝達経路との相関についての立証に焦点を当てている。抗IL-8抗体とP. gingivalisの上皮細胞におけるレセプターである中和抗体である抗TLR-2抗体を歯肉上皮細胞に作用し,その後にP.gingivalis LPSによる刺激を与え,hBD-2の発現について検討を行った。平成22年度に向けてタンパクレベルでの発現について検討している。
|