2010 Fiscal Year Annual Research Report
老化口腔組織のリンパ管におけるToll様受容体を介した病態制御機構の解明
Project/Area Number |
21792138
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
黒嶋 伸一郎 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (40443915)
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Keywords | リンパ内皮細胞 / Toll様受容体 / 免疫 / ケモカイン / 口腔組織 / 老化 / TLR4 / TLR2 |
Research Abstract |
本研究課題は、血管ではなくリンパ管に関する研究であり、自然免疫および獲得免疫に重要な役割を果たすToll様受容体を発現するリンパ管内皮細胞における免疫老化機構を解明することを目的とするものである。 〈In vivoの検索〉 ・健常および炎症ヒト口腔組織(舌、歯肉、口蓋扁桃)毛細リンパ管に対して免疫組織学的検索を行い、以下の事柄を明らかにした。 1.ヒト口蓋扁桃組織毛細リンパ管では老化の有無にかかわらずTLR2およびTLR4の発現が認められた。 2.ヒト歯髄組織毛細リンパ管では老化の有無にかかわらずTLR2およびTLR4の発現は認められなかった。 〈In vitroの検索〉 ・老化マーカーで選別された老化リンパ管内皮細胞を用い、以下の事柄を明らかにした。 1.ヒト頬粘膜または他のヒト組織からリンパ管内皮細胞を分離培養するには至らなかった。 2.培養ヒトリンパ管内皮細胞は、分裂回数が20回を超えた時点で老化細胞が徐々に増加し、分裂回数が30回以降では80%以上が老化マーカー陽性細胞であることが明らかとなった。 3.老化リンパ管内皮細胞ではTLR4を発現しないものも認められたが、機能的抑制の有無は不明であった。 4.TLR2の発現は、老化していないリンパ管内皮細胞と比較して著しく低下していたが、機能的抑制の有無は不明であった。 以上のことから、リンパ管内皮細胞におけるTLRの発現および機能は老化により変化する可能性が示唆された。
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