2011 Fiscal Year Annual Research Report
起炎菌不明とされてきた感染性心内膜炎の感染機序の解明および新規予防法の開発
Project/Area Number |
21792155
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
五月女 さき子 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (20325799)
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Keywords | レンサ球菌 / フィブロネクチン / モノクローナル抗体 / 心内膜炎 / Granulicatella adiacens |
Research Abstract |
Granulicatella adiacens表層のフィブロネクチン(Fn)結合タンパク質であるChaを同定した。Streptococcus gordoniiのFn結合タンパクのひとつであるcshAシーケンスをプローブとして使用しプラーク・ハイブリダイゼーション法によって求めた。 データベースによるホモロジー検索により、Streptococcus gordoniiのFn結合タンパクのひとつであるCshAのC末端のFn結合領域である繰り返し配列と高いホモロジーが得られた。Chaシーケンスは、351のアミノ酸残基からなり、N末領域側半分ではユニーク配列を含む。C-末端領域は115のアミノ酸残基からなる9個の完全な繰り返し領域と1つの不完全なアミノ酸残基を持つ領域からなる。 タイプ株を含むNVSの6株についてCha遺伝子の他の菌への分布の程度および各菌株のFn結合能を調べた。その結果3つのG.adiacens菌株と1つのAbiotrophia defective菌株でFn結合能を示したが、その強さはCha遺伝子の存在とは直接の関係がみられなかった。しかしN末領域および繰り返し領域ともよく保存されていた。この複数の菌株におけるCha遺伝子発現はChaが固相化したFnに付着し、その機能は特異領域に存在することを示唆する。また組み換えChaタンパク質自体も固相化したFnに付着しさらにFnへのG.adiacensの付着を部分的に濃度依存的に一部抑制した。 これらの結果から、ChaがFnへのG.adiacensが付着する際に関与する細胞表面タンパク質であることを示唆された。
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Research Products
(1 results)