2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21792163
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
松尾 浩一郎 松本歯科大学, 歯学部, 准教授 (90507675)
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Keywords | 咀嚼 / 嚥下 / 呼吸 / 二相性食品 / Parkinson病 |
Research Abstract |
研究目的「摂食・嚥下機能障害への呼吸調節機能障害の関与」について明らかにするために,平成23年度では、下記の研究を行い,成果発表を行った。 研究計画1. 二相性食物の咀嚼-嚥下運動が呼吸に与える影響(若年健常人) 平成23年度では,平成22年度まで行ってきた研究成果を学会にて発表し,原著論文としての投稿まで至った。学会発表では,口頭発表で3つの受賞を果たした(筆頭演者2演題,共同演者1演題)。 二相性食物(固形物と液体)の液体成分の粘性を変化させ、嚥下惹起と呼吸パタンへの影響を検討した。液体を含む食物を咀嚼したときには、液体をそのまま嚥下したときとは異なり、液体の粘性を高めても、嚥下惹起のタイミングには影響しないことが明らかになった(平成23年度日本老年歯科医学会優秀口演賞)。さらに、二相性食物の咀嚼による食物の下咽頭への進入は、呼吸と嚥下のタイミングに影響を与えていなかった(平成23年度日本障害者歯科学会国際障害者歯科学会研究奨励賞)。本研究より,液体の粘性は、咀嚼中の食物の咽頭流入を変化させたが、その食物の咽頭流入では嚥下を促進させなかったことが明らかになった。現在論文を,Dysphagiaに投稿中である。 研究計画2. 口唇圧、舌圧、摂食・嚥下障害の相関性について検討(摂食・嚥下障害者) 摂食・嚥下障害を有するParkinson病患者において,摂食・嚥下機能に関連する口唇閉鎖力と舌圧がどの程度低下しているのか,健常被験者(若年群,高齢群)と比較を行った。その結果,男性では口唇圧,舌圧ともに健常群より低下する傾向を認めたが,女性では,健常群と患者群で有意差を認めなかった。本結果は,最大筋力と摂食・嚥下機能が相関しない可能性を示しており,今後摂食・嚥下機能を定量化し,口唇圧,舌圧との関係を調査していく予定である。今までの研究成果は,国内外の学会にて発表を行った。
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Research Products
(8 results)