2010 Fiscal Year Annual Research Report
看護職者の患者指導スキルの実態調査及びスキル向上に向けた定量的評価ツールの開発
Project/Area Number |
21792166
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
會津 桂子 弘前大学, 大学院・保健学研究科, 助手 (90436014)
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Keywords | 患者教育 / 指導スキル / 非言語行動 / 言語行動 |
Research Abstract |
《研究の概要と目的》本研究の目的は、1.看護師の患者指導スキルの実態を、教育を専門とする現職教員の指導スキルとの比較において明らかにすること、2.看護師の患者指導スキルを、教育学分野における教授スキル分析の視点を取り入れ定量的に分析し、指導スキルの新規の定量的評価ツール開発への基礎資料を得ることである。本年度の計画は、昨年度に引き続き、指導スキルの新規の評価表の精度の分析と、現職看護師による模擬患者指導場面の評価および解析、現職教員による模擬患者指導の実施および指導スキルの解析であった。 《結果》看護師の模擬患者指導場面について、評価表による評価と行動コーディングシステムを用いた解析結果との相関分析を実施した。評価結果と解析結果の複数項目間に有意な正または負の相関が認められたことから、新規の評価表を用いた評価は実際の指導スキルを反映していることが確認された。 また、評価結果では、「説得力」と「積極的態度」「患者の顔を見て話す」「身振り手振りを用いていた」「発言しやすい雰囲気」「受容的態度」等、複数項目間にr=0.76~0.99(p<0.01)の有意な強い正の相関が認められ、説得効果を高める非言語的要因についての示唆が得られた。現職教員の指導スキルについては、計画を変更し小学校教員の実際の授業場面を撮影した。対象は教員4名で4回の授業場面の撮影を行った。 《今後の課題》今後は、看護師および教員の指導スキルを言語的・非言語的行動の視点からより詳細に解析して看護師と教員の指導スキルを定量的に比較し、看護師の指導スキルの実態および、より説得力の高い指導の概要について検討する必要がある。
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