2009 Fiscal Year Annual Research Report
看護学実習教育における看護教員と臨床実習指導者の教材化に関する研究
Project/Area Number |
21792177
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
三谷 理恵 Kobe University, 保健学研究科, 助教 (70437440)
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Keywords | 看護学 / 臨床実習教育 / 教材化 |
Research Abstract |
本研究全体の目的は、(1)看護学教育に関わる教員および臨床指導者が、臨地実習指導場面において学生に行う教材化の内容と現象をもとに教材化していく過程を明らかにすること、(2)教材化を行う看護教員および臨床指導者の背景要因と教材化の特徴を明らかにすることである。本年度は研究全体遂行上の基盤を得るために、1)国内看護学教育研究における文献レビューを実施した。国内の臨床実習指導における教材化に関する対象実習は、専門分野IIでの臨床実習での指導場面が主であり、最も初期の段階の基礎看護実習での現象は取り上げられていない。研究内容は、演繹的に導かれた「教材化モデル」を基盤に自己の教育実践を分析する検討、臨床実習教育での現象の帰納的分析から、教員行動の概念化を図る検討などがなされている。これらの結果、臨床実習教育の現象の教材化の教員行動は明らかとなりつつあるが、その背景にある思考、学生の体験している現象からどのように教材化していくのかその過程を明らかにするには至っていないことを確認した。特に臨床実習指導者が、何をどのように教材化しているかは明らかではない。さらに、これらの現象の教材化がなされることが学生の成長や教育効果としてどのような意味があるかについて検討がなされていない。 これらの検討を踏まえ、本研究での目的(1)を達成するための第1段階の研究では、研究対象実習を、初期の学生が経験する基礎看護実習教育場面に設定した。また、教員、臨床指導者が、学生の体験している現象から教材化していく過程をその行動と思考を含め明らかにするために、参加観察法だけでなく面接法も含め実施することを選択した。次いで2)本研究遂行上の倫理的課題の検討を行い、所属施設の倫理委員会に申請、承認を得た。現在、研究実施対象となる基礎看護教育機関および医療機関確保を図っており、次年度調査研究へと継続し実施する予定である。
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