2011 Fiscal Year Annual Research Report
看護師のキャリアデザインに関する研究:ワーク・ライフ・バランスの実現に向けて
Project/Area Number |
21792182
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Research Institution | Miyagi University |
Principal Investigator |
竹本 由香里 宮城大学, 看護学部, 准教授 (40315578)
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Keywords | 看護学 / 看護師 / キャリア発達 / キャリアデザイン |
Research Abstract |
本研究の目的は、看護職者がワーク・ライフ・バランスを取りながら職業を継続できることを支援することを目指して、病院に勤務する看護師のキャリアデザインを探索的に検討することである。対象者は、予備調査対象施設を除く全国の地域支援病院から無作為に30施設を抽出し、研究協力の得られた施設に勤務するキャリア初期から中期(経験年数1~10年)にある看護師517名で、郵送法による質問紙調査(看護師のキャリア志向尺度試作案30項目)を実施した。 本調査の有効回答数は278名(回収率53.8%)であった。性別は男性23名(8.3%)、女性255名(91.7%)、平均年齢は27.86歳(SD4.31)であった。各項目の記述統計の結果から平均値と標準偏差を求め、天井効果とフロア効果を確認した結果、該当する項目はなく、30項目に対して因子分析(最尤法・プロマックス回転)を行った。因子分析によって得られた5因子についてCronbachのα係数を算出し、各因子において最もα係数が高くなる項目構成を確認して最終的に5因子23項目を採用することとした。第1因子は「看護師へのコミットメント」、第2因子は「専門性の向上」、第3因子は「生活との調和」、第4因子は「教育・育成への関心」、第5因子は「ジェネラリストとしての成長」と命名した。因子分析の結果得られた下位概念は、予備調査においても確認されたものであり、妥当性はあると考える。尺度の信頼性について、因子ごとに内的整合性の指標であるCronbachのα係数を算出した結果、0.76~0.92といずれも内的整合性の基準である0.70以上を示し、5下位概念の信頼性が確認された。
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