Research Abstract |
本研究は,中堅看護師の果たすべき役割やその意義とはどのようなものなのかを明確にするとともに,中堅看護師の就業継続に向け管理者に必要とされる支援を提案することを目的としている. 平成21年度は,中堅看護師の就業状況・就業内容,及び役割認識に関する把握を目的に,参加観察,インタビューを実施した. まず,調査にあたり,国内外の書籍や文献,資料からの情報を中心に,参加観察内容およびインタビュー調査に必要な質問項目に関する検討を行った.また,質的研究に携わっている者らによるデブリーフィングにてこれらの項目の見直しを行うとともに,看護管理の研究に携わっている専門家より指導を受けた. 参加観察の項目は,「勤務帯において付帯されている役割の有無」,「受け持ち患者数」,「受け持ち患者の状態」,「記録や報告内容」等である.インタビュー項目は,「現在の就業状況・内容に対する思い」,「自身が認識している役割」,「周囲から感じる,あるいは期待される役割や任務」,「今後の就業への思いと自身の課題」等とした. 対象は,了解の得られた2つの総合病院にて看護部長及び所属病棟の看講師長より推薦された中堅看護師5名である.3名の看護師に二日間,2名の看護師に一日の参加観察を実施した.参加観察の内容は,「研究者がみた言動」,「研究者が感じたこと」,「研究者の言動」の三項目に分類し,時系列に整理を行っている段階であり,インタビュー内容は,逐語録を作成し分析を進めていく予定である.今後も,データの分析を進めるとともに,調査を継続し中堅看護師の役割認識に関する把握内容について明らかにしていく.
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