2011 Fiscal Year Annual Research Report
ブランケットの緊張緩和効果を活かした看護実践モデルの構築
Project/Area Number |
21792187
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Research Institution | Ehime Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
徳永 なみじ 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部・看護学科, 講師 (90310896)
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Keywords | 看護技術 / ブランケット / 副交感神経活動 / 緊張緩和 |
Research Abstract |
【目的】ブランケットによる身体の保護(以下、ブランケット保護)をケアとして効果的に行うには、その影響を明らかにする必要がある。ブランケット保護が看護の対象の心身にどのような影響をもたらすかを知るために、健康者を対象に実験的に検証した。 【研究方法1対象:健康な青年期の女性12名方法:ブランケット有り・無しの2つの実験を異なる日に行った。被験者はタンクトップの上に薄手の和式寝衣を着用し、ワイヤレス心電計(Memcalc/Bonaly Light,RF-ECG、GMS)の胸部電極を装着し、座位20分間の後、ベッド上に安静仰臥位とした(ブランケット有り実験のときのみブランケットを掛けた)。実験中に行う介入はバイタルサイン測定とした。測定:自律神経活動指標として心拍変動(連続測定)と唾液αアミラーゼ活性を、心理状態の指標としてPOMSとSTAIをそれぞれ用いた。アミラーゼ測定と心理テスト評価は介入前と後に実施した。室温23±1度、湿度40±5%の空調下の静かな室内で実施した。分析:心拍変動解析は心電図記録から介入前・中・後それぞれ5分間分の波形を用いて最大エントロピー法によって行った。唾液αアミラーゼ活性は酵素分析装置(唾液アミラーゼモニタ、NIPRO)を用いて測定した。郡間及び群内比較にはノンパラメトリック検定(Friedman検定及びWilcoxonの符号付き順位検定)を用い、危険率を5%未満とした。【倫理的配慮】公立大学法人愛媛県立医療技術大学研究倫理委員会の承認を得て実施した(承認番号10-011)。 【結果及び考察】ブランケット保護の有無の効果を比較すると、唾液αアミラーゼ値、STAI及びPOMSの得点には、いずれも有意差は認められなかった。また、心理的負荷中の副交感神経活性はブランケット保護がない場合にのみ、有意な減衰がみられた(P=.015)。これらの結果から、ブランケットで身体を覆うことで、副交感神経活性を維持できる可能性が示唆された。
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