2009 Fiscal Year Annual Research Report
病院機能特性に応じた看護師の生物災害対応および教育に関する研究
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21792197
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Research Institution | Research Institute, International Medical Center of Japan |
Principal Investigator |
森 那美子 Research Institute, International Medical Center of Japan, 基礎看護学, 研究員 (20421828)
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Keywords | 生物災害 / 病院機能特性 / 看護師 / 卒後教育 / 教育プログラム |
Research Abstract |
本研究では、生物災害対応において病院機能別(感染症指定医療機関、災害拠点病院、救急告示病院)に医療施設と看護師に求められる役割・準備性を明らかにし、効果的な看護師生物災害教育プログラムを構築することを目的とした。平成21年度研究では、平成21年3月にメキシコから流行拡大した新型インフルエンザを題材に、病院機能特性別に医療施設に求められた役割と実践した対応(調査1)、看護師に求められた役割・実務(調査2)と看護師の準備性(調査3)を質問紙を用いて調査した。[結果]調査1:医療施設の準備性を病院機能特性別にみると、新型インフルエンザ対応マニュアルの整備や新型および鳥インフルエンザ対応訓練は感染症指定医療機関で有意に多く実施されていた。しかし今回の新型インフルエンザ対応については、病院機能特性に関わり無く多くの医療施設が、国や地方自治体から電話相談対応や発熱外来設置等を要請されていた。要請に対し実施したものとして、疑い患者診察・発熱外来設置・新型インフルエンザ患者診察が件数として多かったが、感染症指定医療機関で有意に実施率が高かった。調査2:新型インフルエンザ対応として看護師は患者の診察補助、医療職への情報提供・感染防止教育を行っていた。調査3:多くの医療施設で看護師に対する院内感染対策教育を実施していたが、新型および鳥インフルエンザに関する教育を実施している施設は少なかった。また、院内感染対策の内容は標準予防策が主であり、生物災害対応に必要な感染経路別予防策への取り組みが少なかった。[考察]生物災害対応のための医療施設の準備性としてほ、感染症指定医療機関が高かった。しかし、大規模生物災害においては病院機能特性に関わらず準備が必要であることが明らかになった。したがって大規模流行が考えられる生物災害については、普遍的に活用できる教育プログラムが必要である。また教育内容としては、感染経路別予防策はついて重点的に取り組む必要があることが示唆された。
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Research Products
(1 results)