2011 Fiscal Year Annual Research Report
C型慢性肝炎患者のヘルスリテラシーの検討~情報源とその利活用の視点から~
Project/Area Number |
21792204
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
古屋 洋子 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 講師 (80310514)
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Keywords | ヘルスリテラシー / 健康認識 / C型肝炎 / インターフェロン |
Research Abstract |
本研究は、C型慢性肝炎患者が活用している情報源とネットワークの現状を明らかにし、C型慢性肝炎患者のヘルスリテラシー支援への示唆を得ることである。平成23年度は、調査票の作成および対象者の確保等、調査の実施に努めた。日本の一般集団におけるヘルスリテラシー研究は、まだ十分に行われておらず、信頼に足る測定尺度も開発されていない。そこで日本人の一般成人集団調査の解析により、以下の点を明らかにした。ヘルスリテラシー、中でもより高度な相互作用的/批判的ヘルスリテラシーは、社会経済的要因とは独立して良好な健康認識と関係し、限られたヘルスリテラシーと健康認識の関連は社会経済的状態の低い集団でより強い傾向にあった。そこで、C型慢性肝炎患者のヘルスリテラシーについて検討するために、慢性疾患、感染症患者のヘルスリテラシーに関する文献を概観し、患者のヘルスリテラシーと健康状態の関連と社会経済的要因の影響などについて検討した。その結果、限られたヘルスリテラシーと疾病予防のための保健サービスの利用や受療の遅延、乏しい医学的指示遵守や自己管理などの健康アウトカムとの関連があり、特に、教育の影響が大きいことが示唆されていた。C型慢性肝炎検査の受診や治療のための受療、IFN治療費助成制度など保健サービスの利用に際しても、ヘルスリテラシー、特により高度な相互作用的/批判的ヘルスリテラシーとの関連が認められるか、また社会経済的状態の影響があるか検討するための調査票を作成した。
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