2009 Fiscal Year Annual Research Report
喉頭全摘出術を受けた頭頸部がん患者の社会復帰促進につながる看護モデルの構築
Project/Area Number |
21792205
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
長崎 ひとみ University of Yamanashi, 大学院・医学工学総合研究部, 助教 (00436966)
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Keywords | 喉頭全摘出術 / 頭頸部がん / 食事 / QOL / 看護 / 食行動 |
Research Abstract |
本研究の目的は,頭頸部がんで喉頭全摘出術後(以下,患者)の日常生活支障内容の分析結果から,術後患者が社会生活へ適応できるための看護モデルの構築を検討することであった。対象者は,自宅療養中の患者16名である。患者の日常生活に支障をきたしていたことは,【失声による意思疎通の困難】,【予想をはるかに超えて苦痛となった摂食行動】,【社会からの孤立化】,【緊張を伴う入浴】などの13項目であった。中でも,食事に関しては,「常につかえる感じがある」,「食べるのに時間がかかる」,「人前で食べるのが恥ずかしいから外食は嫌だ」などの内容であり,患者は「食べること」を苦痛に感じ,「食べること」への楽しみの喪失から,QOLの低下につながっていることが明らかとなった。喉頭摘出術後患者の「食べること」に関する問題(Lennie, 2004年)は,失声と同様に患者の日常生活に大きく影響しているにも関わらず,あまり看護師に認識されていない現状にあることが指摘されている。今後,患者の社会生活適応の阻害要因を「食べること」に絞り,患者の「食べること」に対する認識・実態を明らかにし,「食べること」の改善がQOLの向上に関連することを実証することを主眼とする。研究計画の一部変更に伴い,今後,「食べること」の意味や食に特化したQOL測定尺度について検討し,調査を実施する予定である。
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