2009 Fiscal Year Annual Research Report
変形性膝関節症患者の生活上の困難とセルフケアおよびQOLとの関連
Project/Area Number |
21792214
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
谷村 千華 Tottori University, 医学部, 助教 (90346346)
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Keywords | 変形性膝関節症 / 生活上の困難 / セルフケア / QOL |
Research Abstract |
本年度は,変形性膝関節症患者の生活上の困難を測定する尺度を開発し,生活上の困難の実態およびQOLとの関連を明らかにした.調査対象は,症状がある50歳以上の一次性膝OA患者とした.調査の結果,回収数は,500(回収率76.9%)であった.有効回答数362名(72.4%)を分析対象とした.対象者の年齢は,72.4±9.6歳(50~95歳),男性81名,女性281名であった.罹患期間は,10.6±10.6年(0~60年),BMIは,24.3±3.3(15.3~37.3)であった. 1. 生活上の困難尺度の信頼性・妥当性 探索的因子分析,確証的因子分析の結果,「社会生活・人生を営む上での辛苦」「生活動作時の難儀さ」「将来の生活に対する危惧」14項目の下位因子で構成される"生活上の困難"尺度が開発された.確証的因子分析では,生活上の困難を二次因子とする二次因子モデルの適合度が確認された.α係数は基準値以上の値が得られ,尺度の内的整合性は支持された.外的基準との有意な中程度~強い相関が得られたことから基準関連妥当性が確認され,統計学的な説明力を有する尺度が開発された. 2. 生活上の困難尺度の有用性 14項目の質問で構成され高齢者の多い膝OA患者にとって簡便で利用しやすい.看護職者における膝OA患者の生活上の困難の理解,ケアの質向上において意義がある. 3. 生活上の困難の実態,well-beingとの関連 生活上の困難の関連要因として,痛み,バランスの悪さ,筋力低下,こわばり,腫脹などが認められた.また.well-beingと中程度の相関がみられ,生活上の困難を感じている者ほど,満足感,幸福感などのwell-beingが低い傾向がみられた.
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