2011 Fiscal Year Annual Research Report
変形性膝関節症患者の生活上の困難とセルフケアおよびQOLとの関連
Project/Area Number |
21792214
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
谷村 千華 鳥取大学, 医学部, 講師 (90346346)
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Keywords | 変形性膝関節症 / 生活上の困難 / セルフケア能力 / QOL |
Research Abstract |
平成22年度に,探索的因子分析において,変形性膝関節症患者セルフケア能力尺度(SACKOS)19項目3因子の尺度を作成したが,その恣意性を払拭するために23年度は,確証的因子分析にて尺度の改訂を行い,SCAKOSの信頼性・妥当性の確保に努めた. 1.セルフケア能力尺度(SCAKOS)の因子構造および信頼性・妥当性の検討 セルフケア能力を二次因子,「自己への関心と適切な認識」,「療養法の遵守と継続への意思」,「関節への負担軽減のための調整」,「病状悪化予防のための能動的な取り組み」,「有効な支援の獲得」の20項目5因子を下位因子とする二次因子モデルが構築された.適合度指標はCFI=0.919,GFI=0.927,AGFI=0.907,RMSEA=0.045が得られ,適合度指数はほぼ統計学許容水準を満たしていた.SCAKOS全体のCronbach'sα係数は0.813で,内的整合性が確認された.基準関連妥当性について,外的基準SCAQ得点とSCAKOS得点とのピアソンの相関関係を算出し,SCAKOSとSCAQ得点間に高程度の相関がみられた(γ=0.78,p<.01).以上より,SCAKOSの信頼性・妥当性は確認された. 2.セルフケア能力尺度の有用性 20項目の質問で構成され高齢者の多い膝OA患者にとって簡便で利用しやすい.看護職者における膝OA患者のセルフケア能力の理解,セルフマネジメントプログラムの評価指標として活用する. 3.セルフケア能力の実態 セルフケア能力に関連する要因としては,年齢,性別,罹患期間であった(高年齢,女性,罹患期間が長いとセルフケア能力が高い傾向にある).患者の機能障害とwell-beingとセルフケア能力に関連はみられず,生活動作の難しさを感じている者ほどセルフケア能力が高い傾向にあった. 4.課題 ASMP (Arthritis Self-management Program)におけるHelp bookを翻訳中であり,研究結果として明らかになった患者の生活上の困難の特徴,セルフケア能力の特徴を鑑み,セルフマネジメントプログラムを構築する.
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