2011 Fiscal Year Annual Research Report
肺がん患者の術後不快症状に対するセルフケア促進のための看護支援方法の検討
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21792219
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
板東 孝枝 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (00437633)
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Keywords | 周手術期看護 / 肺がん患者 / 不快症状 / セルフケア / 術後 |
Research Abstract |
平成22年度は、学会への参加や文献検討により、最新の肺がんに関する治療や研究の動向について情報収集を行った。そして昨年度から継続して肺がん患者の術後不快症状について、調査票をもとに、入院中と退院後の患者における術後の不快症状体験(疼痛、肩こり、咳漱、労作時の息苦しさなど)とそれらが日常生活に及ぼす影響と主観的回復感について実態調査を行った。本研究あ目的は、肺がん患者の術後不快症状について入院中だけでなく退院後の不快症状の実態と日常生活への影響を縦断的に調査し、看護支援の方法を検討することである。しかし縦断的調査のため調査期間中に再発する患者もおり、現在60名中51名の患者に同意が得られたが、退院時と術後6ヵ月の全時期調査できた患者は21名(有効回答率41%)であった。分析の結果、退院時より減少傾向にあるものは、創部(表面)の疼痛と創部に関連する疹痛や咳があることでの日常生活への影響であった。また肩の不快症状(両側)と労作時の息苦しさは増加傾向にあり、これは日常生活範囲の拡大が起因していると予測される。また、退院時と比較すると、術後6ヵ月では、創部に関連する不快症状の程度と日常生活への影響(創部関連)は有意に低下し、患者の主観的回復感は有意に上昇したが.(P<0.05)、術後6ヵ月が経過しても7.6に留まった。そして術後1ヵ月後は3名(14.3%)、術後6ヵ月は1名(4.8%)禁煙ができていない患者がいた。 以上より、次年度は退院後のQOLを維持するために、患者のセルフケアの状態とともに、術後残存した不快症状を抱えた患者の退院後の生活に対する不安要因や不快症状に対する対処について明らかにする必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
調査を縦断的に行っているため、肺がん患者の経過の特徴から全期間調査できた対象者が少ない。また、患者の不快症状に対する対応や工夫の内容の分析がやや遅れ気味である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、縦断的に肺がん患者の術後の不快症状について調査を進めているが、患者の不快症状に対する対応や工夫の内容の分析がやや遅れ気味である。また、現在発生している問題としては患者への調査とともに医療者が対象者に行っている援助内容について、医療者から聞き取り調査を行う内容と必要性の検討である。そのため、現在までの結果を踏まえ、今後の研究遂行に際し、がん看護を専門とする教育者からスーパーバイズを受けることで、患者にとって必要かつ有効な看護支援方法が明確になるよう研究計画の検討を行う予定である。
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Research Products
(4 results)