2011 Fiscal Year Annual Research Report
乳がん治療経験者の性生活に対する戸惑いと看護職者への期待
Project/Area Number |
21792220
|
Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
青木 早苗 高知大学, 教育研究部・医療学系, 講師 (40516168)
|
Keywords | 乳がん / 治療経験者 / 性生活 / 戸惑い / 看護職者 / 期待 |
Research Abstract |
本研究では,わが国の乳がん治療経験者の性生活に対する戸惑いと,看護職者にどのような支援を期待しているのかを明らかにすることを研究目的としている. 本年度は,最終年であるため,まず論文作成を行った.投稿論文として文献検索をまとめた論文では,乳がん治療経験者のセクシュアリティサポートの必要性は示唆されているものの,心理・介入研究,パートナーや医療者の教育に焦点をあてた研究が今後必要であることが明らかになった.また今後は,生殖補助療法を用いた妊孕性温存に関する研究が進むと考えられるため,看護師は乳がん治療経験者とそのパートナーの希望や期待を把握しながら,倫理的配慮を持って関わっていく必要があることが示唆された.その他,学会発表した分析結果を論文にまとめ投稿予定である. また同時進行で,「乳がん治療経験者の性生活における看護職者への期待」について,質的帰納的に分析を行った。分析の結果、乳がん治療経験者の性生活における看護職者への期待は,5つの《カテゴリ》で構成された.乳がん治療経験者は看護職者に<心身の回復度に合わせた情報提供>や<妊娠・出産可能年齢への対応>といった《個別に合わせたタイムリーな情報提供》を期待していた.そのためには,<看護師と接する時間の確保>や<専門的立場での助言>などが必要であり,《性相談も含め,乳がんに習熟した看護師と関われる場と時間の醸成》が必要だと考えていた.また,《個別に合わせたタイムリーな情報提供》の場では,《差恥心を感じない配慮》や《パートナーと一体での支援》を期待していた.このように乳がん治療後の性の問題に対して看護職者へ期待する一方で,《自分で対処できるので必要ない》と考えている者もいた.
|