2010 Fiscal Year Annual Research Report
キネステティク看護援助による身体的効果に関する研究
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21792223
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Research Institution | Miyagi University |
Principal Investigator |
只浦 寛子 宮城大学, 看護学部, 准教授 (40363733)
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Keywords | キネステティク / 身体的効果 |
Research Abstract |
本研究では、キネステティク(Kinasthetik:独語表記.Kinaesthetics:英語表記)という動きと感覚のコミュニケーション概念を応用した看護援助の有用性に焦点をあて、臨床における患者を対象とし、キネステティク看護援助による身体的効果について調査・検討することを目的とし、慢性期にある患者を対象とし、Physion MD(フィジオン社)を用い身体循環動態評価としての水分率(浮腫)、筋肉量、最大筋力、基礎代謝量、体重支持指数(WBI)を非侵襲的に測定評価し、特に昨年度把握された効果の著名なアウトカムファクターについて分析・検討した。 身体循環動態評価としての水分率(浮腫)は有意に低下する可能性が示唆されたが、浮腫傾向の低い症例については、効果として明確なデータが得られにくいことから、浮腫保有群を選定した研究デザインで再度検討する必要がある。筋肉量、最大筋力、基礎代謝量、体重支持指数(WBI)については、有意差を得るにはさらに長期的な評価が必要であることが示唆された。筋肉量そのものは、健常者かつ成人期でも2か月要するという報告もあり、長期関研究評価デザインで再度検討する必要がある。また、比較対象群において、理学療法的な介入コントロールが厳密になされることや、回復に従って自立度が改善することによる影響も考慮する必要がある。筋肉量の維持について有意な効果があることから、廃用症候群予防として効果が期待できる。また、関節可動域やバランス、感覚の改善等に有意な効果が表れやすい可能性があることから、評価指標についても短期的効果および長期的効果の一つ一つ焦点化して引き続き検討を進めることが必要である。本研究によって、キネスナティク概念を看護支援に応用し、朝から次の朝が来るまでのあらゆる動きと感覚とコミュニケーション支援にキネステティクを導入することで、身体的な治療効果が期待できる可能性が示唆された。さらなる研究をすすめることで画期的なイノベーションとしての看護支援技術として科学的根拠を得ることかできる可能性かある。
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