2011 Fiscal Year Annual Research Report
がん患者および家族への看護相談支援モデルの構築と心理社会的効果の検証
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21792240
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
庄村 雅子 東海大学, 健康科学部, 准教授 (40287115)
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Keywords | がん看護 / 看護相談 / 患者教育 / 肝がん / 看護支援モデル / 心理社会的介入 / QOL |
Research Abstract |
本研究は、FL.Lewis(2006)の介入援助の研究デザイン方法を参考に、前年度までの文献レビュー、国内外の視察調査結果と相談の質的分析による看護相談ニーズを統合した看護相談支援モデルを試作し、SF-36のQOL得点を主要評価項目とし、効果を査定し、支援モデルの評価・修正を繰り返し、最終的な支援モデルを提示することを目的とした. 相談ニーズの高いがん治療が長期化・困難化する時期の肝がん患者34名と家族14名に、支援モデル案に基づく情報提供を含む心理教育と、カウンセリングをあわせだ看護相談を実施し、SF-36を3カ月ごとに測定した.患者のSF-36スコア平均1回目(34名)/2回目(21名)/3回目(11名)は、PF:41.7/44.7/46.8、RP:36.3/35.8/41.1、BP:46.1/49.9/51.2、GH:40.9/41.4/43.2、VT:45.3/49.7/46/9、SF:43.8/45.8/41.0、RE:41.7/42-0/45.7、MH:46.4/47.3/50.1だった。家族14名(50~70歳代、妻8名)の1回目スコア平均1回目(14名)/2回目(8名)/3回目(3名)は、PF:51.6/46.8/55/1、RP:50.2/50.3/49.4、BP:50.2/52.5/53.5、GH:47/9/44.2/55.7、VT:48.1/48.3/51.3、SF:43.5/39.8/41.8、RE:50.2/47.5/49.5、MH:46.5/40.8/50.9だった。患者と家族及び両者のQOLに、有意な増減は認めなかった.患者はRPとGH、家族はSFが低値だったが、他は3回目には50点近くと安定し、看護相談を行うことが、患者と家族のQOLの維持や向上に役立つ可能性が示唆された.今後は、がん看護相談支援モデルの修正と介入エビデンスの明示が課題である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2011年度は、前年度までの調査結果に基づく介入モデルを作成し、その実施と評価を行う計画であり、当初の実施計画通りに、調査が進展しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、今年度までに試作構築してきた、がん患者と家族への看護相談支援モデルに基づき、研究者が看護相談を継続し、相談場面における語りの質的分析と健康関連QOL尺度:SF-36v2[○!R]による量的分析とのトライアンギュレーションにより支援モデルの評価・修正を繰り返し、最終的な支援モデルとエビデンスとを提示することが課題である。調査の過程で、肝がんに対象を絞ったこと、介入評価の測定尺度を対象への負担からSF-36に限定するよう変更したため、構築される支援モデルの適用範囲と限界や評価方法を含めた追加の研究課題を明示する必要がある。
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Research Products
(8 results)