2010 Fiscal Year Annual Research Report
慢性閉塞性肺疾患患者の増悪予防のための自己管理を促す心理教育的介入プログラム開発
Project/Area Number |
21792245
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Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
松本 麻里 兵庫医療大学, 看護学部, 講師 (30295109)
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Keywords | 慢性閉塞性肺疾患 / 増悪予防 / 自己管理 / 心理教育的介入 |
Research Abstract |
目的:慢性閉塞性肺疾患(COPD)増悪による入院経験のある患者の自己管理行動遂行上の困難を明らかにし、退院後の増悪予防・対処のための自己管理を促す介入プログラムの構成内容と方略について検討した。 方法:対象は過去1年以内にCOPD増悪による入院経験がある80歳未満の者で、心身の苦痛が強くない15名とした。データ収集は半構成的面接法を用い、分析は逐語録からテーマに照らし合わせデータを抽出し、内容の類似性にしたがい分類しカテゴリー化した。 結果:「急性増悪後に残存した症状により増大する行動の障害」「在宅酸素療法による行動の妨げ」「複数の行動の習慣的な遂行による心身の消耗」「COPDの進行や増悪の繰り返しに伴う自己管理の不確かさと限界の認知」「やるべきことと、できないことの間での葛藤」「解消されない自己管理行動遂行上の疑問・不安」「増悪症状の出現・進展に対する判断・対処の困難さ」「コミュニケーション機会の乏しさ」が明らかになった。 考察:COPD増悪により入院した患者は、退院後も症状や在宅酸素療法により行動を障害される中、複数の課題遂行に心身ともに消耗し、やるべきこととできないことの間で葛藤したり、自己管理に対する不確かさや限界を認知している。また、コミュニケーションの機会も乏しく、自己管理行動遂行や増悪時の判断・対処の際に直面する疑問や不安が解消されないことも、葛藤や不確かさ・限界の認知を助長させている。以上より、COPD増悪により入院した患者に増悪予防・対処のための自己管理を促すには、退院時に「残存する症状や在宅酸素療法による行動への影響のアセスメント」に基づいた「日常生活および自己管理行動の調整」「COPDの増悪予防に役立つ情報提供とスキル指導」「増悪の早期発見と対処法の指導」「サポート資源の活用」「不確かさ・ストレスマネジメント」「継続的なコミュニケーションの保証」などの心理教育的支援を含むプログラムが有効と考える。
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