2011 Fiscal Year Annual Research Report
慢性閉塞性肺疾患患者の増悪予防のための自己管理を促す心理教育的介入プログラム開発
Project/Area Number |
21792245
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Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
松本 麻里 兵庫医療大学, 看護学部, 講師 (30295109)
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Keywords | 慢性閉塞性肺疾患 / 憎悪予防 / 自己管理 / 心理教育的介入 |
Research Abstract |
【目的】慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease,以下COPD)の増悪により入院した患者を対象に、再増悪の予防と対処を促す心理教育的介入プログラムを臨床適用し、内容を評価した。 【方法】プログラムは、COPDのセルフマネジメントプログラムに関する文献調査、および過去1年以内に急性増悪による入院歴のあるCOPD患者15名を対象とした自己管理行動遂行上の困難に関するヒアリング調査の結果に基づいて考案した。プログラムの内容には、教育的支援として(1)「COPDの再増悪の予防・対処の方法」、(2)「退院後予測される身体症状やストレスへの対処法」を含み、小冊子と酸素飽和度モニタによる24時間モニタリングの測定結果を教材として使用した。また、心理的介入としては(3)「再増悪の予防・対処行動の強化」、(4)「疾患にともなう喪失感・苦悩の軽減」をはかった。介入の回数および時期は、急性増悪期の症状が軽快し、退院の見通しがついた時期に2回(各45分程度)、退院後、初回の定期外来受診時に1回(30分程度)の計3回のセッションとした。 データ収集は、プログラムの内容や方法の妥当性および有用性を評価するための質問紙を作成し、各セッションと全プログラム終了時に実施した。 【結果】プログラムの参加者は男性2名、年齢はそれぞれ60代と80代であった。参加者は、プログラムの内容について、わかりやすく、知りたい情報が得られたと回答した。また、プログラムにおける看護師との学習や体験の振り返りを通して、今後の生活を考える上で役に立った、気になっていることや困っていることの解決に役立ち、プログラムに満足したと回答した。小冊子や酸素飽和度モニタによる24時間モニタリングの測定結果の提示についても参考になったと回答していた。 【考察】参加者は本プログラムに対し肯定的反応を示し、プログラムの内容や方法の妥当性と有用性が示唆された。
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