2010 Fiscal Year Annual Research Report
肝がん患者・家族の意思決定を支える看護支援プログラムの開発
Project/Area Number |
21792246
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
永松 有紀 久留米大学, 医学部, 講師 (20389472)
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Keywords | 肝がん / 家族 / 意思決定 / 看護支援 |
Research Abstract |
本研究では,肝がん患者・家族を対象に治療および療養についての意思決定のプロセスの構造を明らかにし,その意思決定を支える看護支援プログラムを作成することを最終的な研究課題としている.平成21~22年度は肝がん患者・家族を対象に半構造化面接を行い,闘病過程の各段階における意思決定のプロセスの構造を明らかにすることを研究課題とした. 21年度に所属機関の倫理委員会の承認を得て,研究協力施設で肝がん患者とその家族6組に対し面接調査を行ったが,対象の家族の背景(同居人数,居住形態など)に偏りがみられることが明らかになった。そのため,本年度は新たに調査施設を加えて肝がん患者とのその家族6組に治療や療養について意思決定に関する面接調査を行い,対象と主治医との承諾が得られた場合は,診察の場面について参加観察を行った。 平成21,22年度の分析結果の一部から,がんの再発を複数回経験している患者とその家族の意思決定のプロセスとして以下のことが明らかになった,肝がん患者と家族は,消えないがんの再発を覚悟しながら,繰り返される再発の告知に向き合い,治療や療養方法を判断するための情報を揃えて決定の場に臨み,最終的な治療の決定は医師に託していた.また,家族は遠方に住む家族に患者や治療についての状況を報告するなど無理のないサポート体制を整えていた.長期におよぶ闘病過程では療養に関する意思決定に関して,家族が担う役割が大きくなるため,情報提供の在り方を含め患者・家族に対する看護支援を検討することが必要と考える.
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