2009 Fiscal Year Annual Research Report
乳児の授乳拒否と母乳の味の変化から見た乳腺炎の予知
Project/Area Number |
21792248
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
吉田 倫子 Akita University, 医学系研究科, 助教 (30463805)
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Keywords | 母乳 / 乳腺炎 / 味 / 授乳 / 乳児 / 授乳拒否 |
Research Abstract |
本研究は、乳腺炎の前兆として母乳の味に変化が認められるのか、並びに乳児の授乳拒否と母乳の味の変化とに関係があるのかを味認識装置を用いて分析し、授乳拒否と母乳の味の変化が乳腺炎の予知となり得るかについて検証することを目的とし、1.母乳育児中の乳児の行動に関する実態調査、2.母乳の経時的サンプリングによる味の変化に関する調査、3.乳腺炎時の母乳のサンプリングによる味の変化に関する調査、4.味の変化に影響する要因の分析、の4つの調査から構成している。21年度は、1.母乳育児中の乳児の行動に関する実態調査として、乳児が示す授乳拒否と乳房トラブルとの関係を明らかにするために母乳育児の経験を持つ母親に対してアンケート調査を行った。協力の得られた母親105人中、授乳拒否を経験した母親は63人(60%)おり、そのうち24人(38%)は授乳拒否後に乳房トラブルを経験していた。授乳拒否の経験は母乳栄養の母親が混合栄養の母親より有意に多く、母乳栄養の母親では、授乳拒否の経験のある母親が経験のない母親に比べて、乳房トラブルを経験している割合が有意に高かった。以上より、乳児の授乳拒否と乳房トラブルには、関連のあることが示唆され、次の研究につながる基礎的な情報を得ることができた。この結果は、学会発表や論文により報告している。また、2については、平成21年1月~12月まで調査を行い、正期産の児を出産した母親24名について2か月間の経時的サンプリングを行った。3については、平成21年5月~平成22年2月まで調査を行い、母乳外来を受診した母親30名のトラブル時と治癒後の母乳サンプリングを行った。さらに2、3について平成21年7月から味認識装置にて測定を行い、半数以上のサンプル測定が終了した。今後は、残りのサンプル測定とデータ解析、論文作成を行い、22年度開催の学会発表、論文投稿へ向けて準備を進める。
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Research Products
(2 results)