2010 Fiscal Year Annual Research Report
口唇口蓋裂をもつ児の乳児期における育児支援プログラム開発のための介入研究
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21792252
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
岡光 基子 東京医科歯科大学, 大学院・保健衛生学研究科, 助教 (20285448)
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Keywords | 口唇口蓋裂 / 育児支援 / 乳児 / 親子相互作用 / 授乳(食事) / 日本語版NCAFS |
Research Abstract |
乳幼児期までの親子相互作用は良好な親子関係や子どもの成長発達の促進のために重要であるとされている。口唇口蓋裂をもつ児は、出生直後より授乳場面で困難を生じやすいことや様々な工夫を取り入れなければならないことから、母親はストレスが高いことがわかっている。口唇口蓋裂をもつ乳児を母親が養育する過程において、食事(授乳)場面における親子相互作用の縦断酌な変化を明らかにし、そのような母子への効果的な育児支援の介入方法について検討することを目的とした。 関東都市部の大学病院の口腔外科外来にて対象者を選定し、外来受診時に調査を実施した。対象は、口唇口蓋裂をもつ乳児期の母子19組。研究協力への承諾が得られた者を対象とし、月齢2~4か月時から1歳時までの期間、計4回の調査を行った。母子の食事(授乳)場面の観察と質問紙調査、面接調査を行った。親子相互作用の質を観察する尺度として、食事(授乳)場面の観察は日本語版NCAFS(Nursing Child Assessment Feeding Scale)が用いられ、外来に設置されている授乳室でライブにて行い、ライセンスを持つ者がコーディングを行った。質問紙は、妊娠出産・健康状態に関する質問票、遠城寺式・乳幼児分析的発達検査、津守式乳幼児精神発達質問紙、日本版Parenting Stress Index(PSI)、子ども総研式育児支援質問紙、日本版GHQ30、抑うつ(CES-Dスケール)、ソーシャルサポートに関する質問紙、ネットワーク調査票を用いた。 口唇口蓋裂をもつ児とその母親の親子相互作用の経時的な変化が明らかとなり、属性や他の変数との関連性の検討を行った。児の発達に伴って起こる遅れなどの問題や食事場面で困難を生じることなどについて母親の不安が強く、各時期に応じた継続的なきめ細かな支援の必要性が明らかとなった。また、口唇口蓋裂をもつ児とその母親への乳児期に早期の親子相互作用の促進に向けた援助の必要性が示唆された。
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