2010 Fiscal Year Annual Research Report
乳房マッサージまたは抱き方・吸着のケアを受けた褥婦の乳汁分泌・自律神経系への効果
Project/Area Number |
21792255
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
今田 葉子 岐阜大学, 医学部, 准教授 (00326167)
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Keywords | 看護学 / 乳房マッサージ / 抱き方 / 吸着 / 自律神経機能 |
Research Abstract |
ここでは、母乳育児支援によって得られた褥婦への効果を生理・心理的指標から捉えるための基礎的研究と位置付け、様々な母乳育児支援の中で、褥婦の授乳場面において助産師が授乳方法を直接的に指導する支援に着目し、その支援を受けた授乳前後の生理・心理特性の変化を明らかにすることを目的とする。調査は全て褥婦の個室で行った。授乳前、授乳中、授乳後の調査スケジュールは、対象者の最終授乳時間や次回授乳時間に関する情報を得て立案した。調査内容は、授乳前後はリラックス尺度による質問紙調査および心電図測定を、授乳中は心電図測定のみ行った。尚、授乳中は助産師が褥婦のそばに付き添い、母乳育児確立に向けて褥婦の育児能力に合わせて授乳方法を口頭や手技を用いて支援している場面を測定している。褥婦の姿勢は座位をとっていた。また、授乳前後の心電図測定では、褥婦は仰臥位にて閉眼し、安静状態をとった。また、調査の時期は産褥早期である産褥1日目と退院間近の産褥4または5日目で、2回行った。現在までの結果では、対象5名(初産婦2名、経産婦3名)の年齢は23~38歳(平均32.6±5.3歳)で、母乳育児支援を行った助産師の臨床経験年数は7~20年(平均12.3±5.6年)であった。その他、調査時の室温は20~29℃(平均25.6±3.3℃)、湿度40~58%(平均45±7.5%)であった。授乳前後の対象5事例の特徴は、授乳後、(1)両日ともに交感神経系の活動が高まる(1事例)、(2)産褥4(5)日に副交感神経系の活動が高まる(2事例)、(3)交感神経系の活動は低下し、副交感神経系の活動は高まる混合(2事例)の3パターンに分けられた。また、リラックス尺度の得点は、パターン(2)のみ生理的側面の変化に一致して変化した。授乳中の助産師の支援効果に影響を及ぼす要因から調査測定条件の再検討を行う必要がある。
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