2009 Fiscal Year Annual Research Report
更年期女性の不定愁訴を軽減させるための方策:継続的課題の達成と自己効力感
Project/Area Number |
21792262
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
城賀本 晶子 Ehime University, 大学院・医学系研究科, 助教 (90512145)
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Keywords | 更年期女性 / 疲労 / 自己効力感 / むくみ |
Research Abstract |
1. 具体的内容:本年度は、これまでの研究で明らかになった更年期女性自覚症状のうち、もっとも程度と頻度が高かった「疲労」に焦点をあてた。まず、4要因40項目からなる新たな多次元疲労測定尺度を開発し、統計学的にその妥当性と信頼性を検証した。次に、40歳から59歳までの更年期周辺女性を対象に、疲労の程度と自己効力感との関連について検討した。正準相関分析を用いて、疲労4要因と自己効力感3要因との関連について解析を行った結果、自己効力感の失敗に対する不安が強い人は、精神面、認知面、対人面の疲労を強く表出していることが明らかになった。本研究で得られた成果は、原著論文としてまとめ、日本看護科学学会誌に報告した(山本・中塚・吉村,2009)。また、更年期症状として「むくみ」を自覚している対象者が多かったため、下腿のむくみを測定するための方法論を確立しようと研究を進めている。 2. 意義:更年期女性の疲労は、家事や労働などの作業効率の低下を招くだけではなく、意欲の喪失、活力の低下、情動や行動の変容などを引き起こし、日常生活の質に多様な影響を与える。更に、電子機器の急速な普及、職場や通勤の環境、経済的および時間的に余裕のない生活などを背景に、疲労は、更年期に限らず、幅広い年齢層で問題化しており、中高年の疲労に如何に対処するのかは、社会的に意義があると考える。 3. 重要性:40歳から59歳までの更年期女性を対象とし、その疲労の程度と自己効力感との関連について解析した結果、自己効力感が低い人ほど、疲労の程度が高いことが明らかになった。特に、自己効力感における失敗に対する不安が強い人は、精神面、認知面、対人面における疲労の程度が高く、疲労を強く感じる可能性が示唆された。そのため、疲労回復には、自己効力感を高める関わりが重要と考える。
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Research Products
(4 results)