2010 Fiscal Year Annual Research Report
更年期女性の不定愁訴を軽減させるための方策:継続的課題の達成と自己効力感
Project/Area Number |
21792262
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
城賀本 晶子 愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (90512145)
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Keywords | 更年期 / 自己効力感 / 疲労 / むくみ / ストレス / ヒハツ |
Research Abstract |
1.具体的内容:食品や天然物の継続的な摂取による更年期自覚症状と自己効力感の変化 更年期症状として潜在的に自覚している人が多い「むくみ」に着目し、まず、下腿のむくみを如何に測定するか、その方法論を確立するために若年女性を対象とした予備的研究を行った。その結果、下腿最大周囲径、足首最小周囲径、下腿面積、下腿体積などを指標として、若年女性の下腿の日内変化を明らかにすることできた。その方法論をもとに、コショウ科の植物で、東南アジアで香辛料として頻用されているヒハツ(Piper longum L.)について、その摂取が下腿のむくみに及ぼす影響について明らかにした。 2.意義:男性と比較して、女性では、筋ポンプ作用による循環効率が弱いこと、女性ホルモンであるエストロゲンやプロゲステロンによって、腎尿細管でのナトリウムや水の再吸収が促進されることから、水分が身体に貯留し、むくみを起こしやすい。女性が最もむくみを自覚する部位は下腿であり、ふくらはぎや足首に生じる不快な症状に悩む女性は多いと考えられる。本研究で用いたヒハツから抽出分離されたdehydropipernonalineは、冠状動脈の血管拡張作用を有し、血流増加、発汗、新陳代謝促進などの作用を持つことが報告されており、体の冷えや末梢循環の改善に有用である。そのため、冷えの随伴症状として自覚されることが多いむくみに対しても、同様な改善効果が期待される。 3.重要性:下腿のむくみには、利尿剤や血管拡張薬などの内服も有用であるが、健常な人が、医薬品を使用することは困難であり、日常生活の中で対処していくことが望ましい。むくみへの対処策としては、立位仕事を主とする者や下肢静脈瘤をもつ者などにサポートストッキングが用いられているが、着脱が容易ではない上、体型にあった製品を使用し、装着時のずれを予防しながら用いる必要があるなど課題も多い。本研究で用いたヒハツは、末梢血流量を増加させる効果を持つものの、血管への負担や強心作用等を伴わないことが報告されている。本研究においても、低用量及び高用量のいずれの場合も、ヒハツ摂取によって有害事象は認められなかった。ヒハツはむくみの予防や改善に安全に働きかける素材と言え、今後、若年女性のみではなく更年期女性を対象に更なる検討が必要である。
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Research Products
(8 results)