2009 Fiscal Year Annual Research Report
染色体障害児のきょうだいケア体制の構築に関する研究
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21792264
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
森藤 香奈子 Nagasaki University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (70404209)
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Keywords | きょうだいケア / 染色体障害児・者 / 自然歴 |
Research Abstract |
きょうだいケア体制の構築を目指し、ダウン症者を同胞にもつ成人したきょうだいの協力を依頼し、家族会とともに「きょうだいの思いを聞く会」を開催した。90名の参加者はほとんどが家族会会員であった。離島の多い長崎県において、研修会を開催しても参加できない方も多いため、開催後に集録集を作成し、全会員に配付した。 「きょうだいの思いを聞く会」では、ダウン症に対して十分な知識がない時代に子育てをしてきた経験や、ダウン症者がどのように老い、いつまで生きるのかわからない状態で、両親は何を準備しきょうだいに何を残していけばいいのかわからない。ダウン症者である我が子より長生きしなければならないと考えている等の思いについて意見交換がされた。一方、ダウン症者の平均寿命は60歳を越えていると言われており、メンタル的問題も増えているという報告がなされている。保護者も可能ならば、きょうだいに対して、きちんとした準備や説明をしたいと考えているが、材料がない現状について情報収集できた。 そこで、ダウン症者の自然歴を明らかにすることで、両親がきょうだいに対して説明する内容も充実し、親亡き後のダウン症者の生活を見据えた準備ができると考えた。そこで、15歳以上のダウン症者を対象に、現在の能力、身体状態等について、郵送法によるアンケートを実施した。結果、移動能力は比較的保たれていることがわかった。また、言語能力が高ければ、日常生活実行能力も保たれる傾向(相関あり)や、自宅生活者が施設入居者より、言語・日常生活実行能力について有意に高い傾向にあり、能力低下により自宅での対応が難しくなると施設に入居する選択がなされるのではないかと考えられる。
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