2009 Fiscal Year Annual Research Report
障害児をもつ親の育児ストレスと養育態度の関連~父親と母親の比較~
Project/Area Number |
21792268
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
大塚 景子 Nagoya City University, 看護学部, 助教 (40457932)
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Keywords | 看護学 / ストレス / 障害児 / 早期療育 / 育児 / 両親 |
Research Abstract |
障害児の親の育児ストレスは高いといわれており、とくに、早期療育に通う子どもをもつ親の場合は、子どもの年齢が低く、親は十分に子どもの年齢を受け入れる前に療育が開始されることも少なくないことから育児ストレスが高いと考えた。しかし、早期療育を受けている時期は、親にとって子どもの障害を告知された直後や診断前であり、精神的に不安定であると考えられることから実際に早期療育を受けている児の親を対象とした育児ストレス研究はほとんど見当たらない。また、障害児の親の育児ストレスに関する研究において、父母の比較をしたものは非常に少ない。育児ストレスは重要な虐待要因であることが指摘されていることから、育児ストレスを抱える親を把握し、支援を検討することは意義があると考えられる。本研究では、障害児とくに早期療育に通う子どもをもつ親の育児ストレスに関連する要因を明らかにし、今後の家族支援のための参考資料とすることを目的とした。 A県内2ヶ所の療育施設の早期療育グループに通う子どもをもつ父親と母親を対象に無記名自記式質問紙調査を行った。調査内容は基本属性、療育への思い、育児に対する姿勢、育児ストレス(日本版PSI)である。本研究は、名古屋市立大学看護学部研究倫理委員会の承認を得てから実施した。調査協力の得られた父親と母親63組のうち23組(36.5%)の夫婦から回答が得られた。平均年齢は父親36.6±5.5歳、母親34.3±4.1歳であった。育児ストレスを父母で比較したところ「総得点」「親側面のストレス」で母親の方が有意に育児ストレス得点が高く、育児ストレスが高かった。「子ども側面のストレス」では有意差はなかった。今後、各要因との関連を分析し、父母それぞれにおける支援を検討する。
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