2010 Fiscal Year Annual Research Report
障害児をもつ親の育児ストレスと養育態度の関連?父親と母親の比較?
Project/Area Number |
21792268
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
大塚 景子 名古屋市立大学, 看護学部, 助教 (40457932)
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Keywords | 看護学 / ストレス / 障害児 / 発達障害 / 早期療育 / 育児 / 両親 |
Research Abstract |
障害児の親の育児ストレスは高いといわれており、育児ストレスは重要な虐待要因であることが指摘されている。本研究では、障害児とくに早期療育に通う子どもをもつ両親の育児ストレスに関連する要因を明らかにし、今後の家族支援のための参考資料とすることを目的に調査を行った。 A県内の療育施設早期療育グループに通う子どもをもつ両親を対象に無記名自記式質問紙調査を行った。調査内容は基本属性、育児に対する姿勢、療育への思い、育児ストレス(日本版PSI)である。調査協力の得られた父親と母親63組のうち父親24名(38.1%)母親27名(42.9%)から回答が得られた。育児に対する姿勢では、子どもと接する時間(p<0.01)、地域活動の参加(p<0.05)は母親の方が有意に多く、育児の楽しさは父親の方が有意に楽しいと感じていた(p<0.05)。療育への思いは、母親の方が有意に療育が必要であると思っていた(p<0.05)。育児ストレスは父母ともに先行研究の健常児よりもストレスが高く、父母で比較したところ「総得点」(p<0.05)「親側面のストレス」(p<0.01)は母親の方が有意に育児ストレスが高かった。育児ストレスの関連要因としては、父親は「家族の協力の有無」「療育通園期間」、母親は「年齢」「療育通園期間」「子どもと接する時間」「育児の楽しさ」が有意に関連しており、父母で育児ストレスに関連する要因が異なることが明らかになった。とくに母親における育児が楽しくない人のストレスが非常に高かったため、子どもの日々の成長を喜び、育児の楽しさを実感できるように働きかけるなど早急に支援が必要であると考えられる。 以上より、父親には子どもの特徴に応じた対応方法の支援、母親には親自身のストレスに対する精神的な支援といった父母それぞれに対して支援の必要性が示唆された。
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