2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21792272
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
重西 桂子 岡山県立大学, 保健福祉学部・看護学科, 准教授 (50305778)
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Keywords | 助産師 / 助産診断・技術 / アセスメント / アセスメント |
Research Abstract |
本研究の目的は、開業助産師の助産診断のわざを文章化して教材を作成し、若手助産師の実践能力向上のための教育的支援における活用可能性を検討することである。 平成22年度は、卒後5年目未満の若手助産師4人を対象として、教材を用いた学習会を開催した。教材は、熟練開業助産師の過去の経験事例から架空の事例を作成し、臨床経過や助産師の臨床判断などを中心に記述して用いた。学習会のファシリテーターは研究者がつとめ、参加者全員で事例分析と討議を行った。事例分析は、事例に含まれる重要なポイント、熟練助産師が用いた助産診断・技術、ケアに着目して実施した。教材および学習会の評価は、参加観察とグループインタビューによりデータ収集し、分析と評価を行った。収集されたデータは文章に書きおこし、類似した内容毎に集めて質的に分析した。 結果は、以下の通りである。対象者の背景は、臨床経験4年目2人、3年目1人、2年目1人であった。収集されたデータは、《事例のクリティーク》《学習会参加による発見、感想》の2つの内容に分けられた。《事例のクリティーク》は、〈自分の規準と照らし合わせる〉〈所属組織の規準と照らし合わせる〉〈助産師の行動への疑問〉〈助産師の判断・行動への同意〉から構成された。また、《学習会参加による発見、感想》は、〈自分の所属組織をみつめる〉〈助産師の役割、あり方をみつめる〉〈助産師に対する尊敬〉〈自分の規準を生成していく糧〉〈事前準備の必要性〉から構成された。本学習会は、対象者にとって活用した教材が理解しやすく、先輩助産師の思考過程や行動から学びを得ることができたという反応があった。そして、教科書上の知識とは異なり、自らの臨床経験を通して、より豊かな自分自身の規準を再構成する必要性があるということを学習会を通して共有できた。
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