2010 Fiscal Year Annual Research Report
人工妊娠中絶術を受ける女性の看護ケアに対するニーズと看護の検討
Project/Area Number |
21792280
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
勝又 里織 静岡県立大学, 看護学部, 講師 (00514845)
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Keywords | 人工妊娠中絶術 / 未産婦 / 看護ケア / ケアニーズ |
Research Abstract |
本研究の目的は、人工妊娠中絶術(以下「中絶」とする)を受けた女性の中絶前後(中絶前・中絶当日・中絶後1週間)における看護ケアに対するニーズを明らかにし、看護を検討することである。研究最終年の本年度は、昨年度までに、予備調査として行った8名へのインタビュー調査の結果から作成した自作の質問紙を吟味し、それを使用して、首都圏内産婦人科施設において、妊娠初期に中絶を受けた女性に対して、本調査(アンケート調査)を実施した。調査内容は、年齢や職業等デモグラフィックデータと看護ケアに対するニーズ18項目である。それぞれの項目に対し、初診時、手術当日来院時、手術直後から病院を出るまで、中絶手術後1週間の4つの時期に分けて質問をし、5:そう思う、4:まあそう思う、3:どちらでもない、2:あまり思わない、1:思わないで回答を求めた。調査は10施設に依頼した。その結果、アンケートの回収率は89.7%であり、有効回答数は83部であった。対象は平均年齢24.3歳(17-39歳)、アルバイトやパートを含む有職者は50名(60.2%)、無職者は33名(39.8%)であり、無職だと答えた者のうち、30名(90.9%)は学生であった。未婚者は79名(95.3%)、既婚者は4名(4.8%)であり、全員が未産婦で、2回以上の中絶経験がある者は7名(8.4%)であった。そして、中絶を受ける女性の看護ケアに対するニーズは、4つのどの時期においても、「手術のやり方や手術の影響を教えてほしい」「危険や痛みをなくすなど、身体へのケアや気遣いが欲しい」等、【身体面の気がかりに対する解決】を最も求めており、続いて、「看護者に、話しかけやすい、落ち着いた雰囲気を作ってほしい」「自分の選択を支えるような態度で接してほしい」等、【居心地のよさ】を望んでいた。
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